加法混色・減法混色

加法混色・減法混色とは?
この疑問に答えるには光と色の性質を少し知っているとお得です。

加法混色
普段私たちが見ている光は、実は複数の色の光が混ざったものです。その光の成分は足し算や引き算をすることができます。異なった色の光を重ねて別の色を生み出すことを加法混色といいます。光は赤・緑・青の三色を光の三原色としています。例えば、赤・緑・青の光を均等に混ぜたときに生じる色は、各色の波長の反射率が均等な大きさになるため、できる光は白となります。この原理を用いた表色系をRGB表色系といいます。カラーテレビは、光を画面に投影する方式をとっています。テレビ画面の素子に注目すると、赤・緑・青のたて縞が見えます。カラーテレビはこの三色の強度を調整しながら色を表現していることがわかります。

減法混色
色は物体固有の分光反射率、つまり各色の光に応じた反射率によって決まり、反射した光が目に届いて色がついていると感じます。つまり、光がある物体に当たったとき、その物体から反射される光が物体の色として感じるのです。これは、物体が光から特定の波長を奪うフィルターのようなものといて考えることができます。たとえば、赤色紙では赤の波長領域をよく通すフィルターと考えることができるのです。このような考えでいけば、様々な色をもつ物体を混ぜるとそれぞれのフィルターを光が通ってくるのと考えられるので、光の波長成分が減少してき、残った光の波長成分だけが現れます。このような混色を減法混色といいます。減法混色では赤・黄・青の三色を色の三原色としています。詳しくはマゼンタ(ピンクに近い色)・イエロー・シアン(水色に近い色)と呼ばれています。たとえば、絵の具を混ぜ合わせることによりそれぞれの中間の色が表現できます。赤と黄を混ぜれば橙になり、黄と青を混ぜれば緑を示す。このことを減法混色といいます。

実験道具
・懐中電灯 3本
・フィルター(セロハンなど、赤・緑・青の三色)
・絵の具
・プラスチックコップ 4個程度 (絵の具を混ぜ合わせるためのもの)
・混ぜ棒
・水

実験の説明
加法混色
1.懐中電灯にフィルターを取り付け、赤・緑・青の光の出る懐中電灯を作る。
2.色の白い壁に各懐中電灯を当てて、光を重ねてみる(周りが暗いとなおよい)。
3.水を加えてから、混ぜ棒で少しずつ溶かしていきます。

減法混色
1.プラコップと混ぜ棒を用意します。
2.各絵の具を少量だけプラコップに取ります。
3.水を加えてから、混ぜ棒で少しずつ溶かしていきます。
4.各水溶液を一つのプラコップに少しずつ加えていきます。
5.加えていくことにより色がどのように変化するか見てみましょう。


どうして物には色がついているの?

(1) 色の出る理由1
 皆さんのまわりにあるあらゆる物は光によって、その物の色がわかります。しかし、なぜ光が物に当たることにより色が出ると思いますか?
 それは物が光を反射するからです。しかし、ただ光を反射するというわけではなく、物それぞれの性質におうじた反射をします。それをわかっておきましょう。

(2) 色の出る理由2
 では物はその性質におうじた反射をすることがわかりました。では、そうすることによってどういう光になると思いますか。
 物に当たった光のうち、ある光は物に吸収され、ある光は反射します。そうなることにより違った光になります。ということは、色が違って見えてくるということです。例えば、懐中電灯をのぞくと、白い光が見えます。これは、出てくる光そのものです。それが、りんごに当たると、りんごは赤く見えます。つまり、りんごは白い光のうち、ある光を吸収して、他の光は反射して、その反射した光が私達人間の目では「赤」と見えるのです。

(3) 色の出る理由3
 違った光になるとはどういうことだと思いますか。さっき言ったとおり、違う色に見えるということなのですが、それだけでは理由になりません。光のことを詳しく見ていくと、光は波をうつ性質を持っています。この波のうねりの間隔を波長といいます。
 私達人間の感じる色は、光の波長におうじて変わります。人間が見ることのできる光は「可視光」といい、可視光の波長域はおよそ300〜700nm(ナノメートルと読みます。とてもとても短い長さの単位です。)です。このことを理解しましょう。

(4) 色の出る理由4
 さっき出てきた波長域、300〜700nmには、700nm辺りが赤い光で、以下橙、黄、・・・と虹色が並び、300nm辺りが紫の光というふうに並んでいます。白い光をプリズムと呼ばれる三角形のガラスに当てると、この様子がよくわかります。白い光は、実は色々な色の光が集まってできているものなのです。逆にいえば、プリズムから出てきた光の帯は白い光の正体です。
 もちろん、白い光にかぎらず他の色の光でも同じ事が起きます。たとえば赤い光でも同じようにいくつかの光の帯ができますが、白い光の帯と比べて緑や青の帯が見えにくいはずです。「緑の光」や「青の光」より「赤の光」が強いと、赤系統の光になります。

(5)色の出る理由5
 「赤の光」が強いと赤系統の光になる、これはあたりまえなようでとても重要なことです。私たちの身のまわりにある赤い光はどれも「赤の光」が特に強いのです。そして、私たちの身のまわりにある赤い物は、「緑の光」や「青の光」を吸収して、「赤の光」は反射しています。この反射された「赤の光」だけが目に届くので、赤く見えるのです。



身近にある色々な物の色のしくみ
赤や黄色の紙、赤や黄色の絵の具、りんご、バナナ、鉄のさび、・・・
 ⇒光が当たったとき、赤や黄色の光だけを反射します。他の色は吸収されます。
白い紙、白い絵の具、ごはん、白熊、雪、・・・
 ⇒光が当たったとき、どの光もまんべんなく反射(乱反射)します。
黒い紙、黒い絵の具、黒豆、カラス、鉛筆の芯、・・・
 ⇒光が当たったとき、どの光もまんべんなく吸収します。
透明なガラス、空気、水、・・・
 ⇒光が当たっても、吸収も反射もあまりせず通過してしまいます。表面が粗いと白く見えます。
色付きのガラス、セロハン、紅茶、・・・
 ⇒特定の光は通過しますが、他の光を吸収します。
蛍光灯の光、太陽、カメラのフラッシュ、・・・
 ⇒可視光の光をまんべんなく出しています。
青色発光ダイオード、ナトリウムランプ、夜空の星、蛍の光、・・・
 ⇒可視光の光のうち、特定の光のみ、あるいは特定の光をより多く出しています。
金色、銀色、鏡、その他金属
 ⇒当たった光を表面で強く反射します。表面がなめらかなほど正しく反射します。表面が粗いと乱反射となり、白っぽくなります。
テレビやパソコンの画面、液晶画面
 ⇒赤・緑・青の小さな光源「素子」がぎっしり並んでいて、それぞれの光の強さを変えて様々な色を表現しています。
虹(赤・橙・黄・黄緑・緑・青・紫)
 ⇒白い光が分裂して波長の長さの順に並んで見えています。このとき見えている光はいわば白い光の正体です。


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